●明治学院大学
家を出る時にはまだ、今日一日がこんな思い出深いものになるなど、知る由もなかった。
今日、あるバイトの面接で、高輪台まで出かけた。帰り道、洋風の建物が遠くに見え、思わず行ってみることにした。近くまで行くと、それは明治学院大学のキャンパス内に立つ、洋館だとわかった。思い切って、大学のキャンパス内に入ってみることにした。大学生になってから、他大学に入るのは初めてだった。どきどきしながら、「冒険」の二文字が、脳裏をよぎる。
大学内を散策しているうちに、自分の中に、次第に大きくなっていく感情に、私は気付いた。初めて訪れたのに、そこは、すごく居心地がよく、それと同時に、自分の通うキャンパスとの間の落差みたいなものを、感じていた。その時、どの部分をどのように比べて、そう感じたのかはわからない。ただ、そんな感覚が、じわじわと湧き出た。それは、誰しも感じるものかもしれない。…もう四年間も通えば、見慣れたキャンパスの風景よりは、初めて訪れる、他大学のキャンパスへのわくわく、どきどき感。しかし、私のそれは、普通のそれとは、どことなく違っていた。他大学キャンパス。そこが、ものすごく素敵に感じ、自分はここを選んでいれば良かったな、と強く思う感覚。この気持ちは、私には、理解しがたいものだった。これまでの、大学での日々が、あまりにも辛すぎたから。…だから、他の大学であれば、どこへ行っても、今の自分の通っている所より良く思える。けれど、そんな苦しみや後悔の念は、その源がわかったからといって、無くなるものではなかった。むしろ、より混乱していった。
私は、自分の生きた時間に、もう、後悔はしていないと思う。ただ、過ぎ去った時間への執着は、まだ拭い去れないのだ。そう、思う。
自分の心の、普段見えていなかった部分が、ちらっと見えた。そんなひと時を、そこで過ごした。
●カツカレーと、なにか(はーと)
ともあれ、お昼ご飯の時間だったので、食堂を探した。食べたカツカレーの味は、正直、いつもより複雑で、ピリッとした風味と、カレーを食べた後の、口に残る香辛料の香り以外、よく覚えていない
他の大学生を、羨む気持ち。平凡なキャンパスライフ。自分の大学生活を、執拗に思い返す自分。…時間の経過とともに、あるいは、環境の変化にともなって、それが次第に無くなっていくのだという確信を、まだ、私は持てずにいた。しかし、確実に、私は大学でやり残した、なにかに気付いたのだ。そして、それをやれるだけのエナジーが、自分の中に回復してきているのだ。それが、なんなのかは、まだよくわからないけれど。また、同時に思う。それを、絶対に学生時代に、する必要もないのかもしれない。社会に出てからでも、いくらでも機会はあるはずだ、と。そんな風に、前向きに考えることにした。
今思い返せば、今日食べたカツカレーは、いつになく美味かった。
震災に会われた方々、二次災害で避難を余儀なくされている方々、
一日も早く事態が良くなることを祈っています。
さらに、今、福島第一原発で、命がけで作業に取り組んでいる方々、被災地で日々、復興支援に奮闘している方々へ、心より敬意を表したい。
日本の、早期復興を願っている。
そして、読んでくださった方々に感謝をこめて。
●写真
明治学院チャベル(礼拝堂)
明治学院大学 白金キャンパス内
食堂
カツカレー
外観
この風景に誘われ、近くまで寄ってみたくなったんだよね~。
そら
参考情報
白金キャンパス-キャンパス案内|明治学院大学
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